ただ存在するという意識の第1チャクラから、第2チャクラで自分自身という存在を意識し、第3チャクラでは自分の意思を持ち、それを表現していくことが課題になります。外に表現するということで外側を中心に意識を向けがちですが、最終的な判断権は自分にあります。そこで内面に意識を向け、自己との関係性を学ぶこと、自分自身のアイデンティティを創り出すことがテーマとなります。

 

自分についてどう思っているか、自分の気持ちを尊重できるかどうかは、あなたの人生を大きく左右します。言い換えれば、自分についての理解を深め、自分を受け入れ、自分との信頼関係を築くことで、自分にとって何が最優先事項なのか判断できるようになります。自分を優先させるというのはわがままで悪いことなのではないか、と思うことがありますが、あくまでも自分という魂を持った肉体の中心に権力や社会、他の誰でもない、“自分”を置いてあげるということです。自分の意志が確立してくると、反する人や物事に対して時に立ち向かう勇気がもたらされますし、距離を置くという選択をとることもできます。自分を大切にするということがわかってくると、同じように他人も尊重できるようになります。自分以外の誰にも最終決断権がないことがわかっているからです。

逆に自尊の念(自分が尊い価値のある存在だと理解すること)が低く、自分の気持ちを無視して判断を他の存在の手に委ねてしまうと、それを反映した人間関係や、仕事の状況などが引き寄せられます。

誰かが自分以上にパワーがあると認めてしまうことは、自分のエネルギーを放棄して他人に委ね、それが使われるのを許すことになります。共依存(他者に必要とされることで、自分の存在意義を見い出すこと)や依存といった関係性はこうした自分から決断の権限を手放したことによって引き起こされ、またそれに気づいていない人がほとんどかもしれません。

 

物質界という魂の学校において第3チャクラが私達に与える課題は、自分とは何か、外部との関わりにおける自己とは何か、と自問自答を続けるよう私たちに働きかけます。自分が持っている身体、環境、それに信念の中で、あなたは果たして自分の魂を中心に捉え、魂を育てていく選択をしていくのか、それとも物質世界を中心に判断を下すのか。

だれもが「あのとき、直感に従って良かった」、または「嫌な予感はしていたのに無理にやって、失敗した」という経験があるかと思いますが、その予感や違和感といった言葉では説明できない直感(心の声)は人生の岐路にあり選択に迫られている時に受け取る信号「いま・ここ」にあり、この瞬間に判断を下す能力なのです。この選択を通して少なくともある程度は人生の次のステップを変える力が自分にあるということを意識し始めます。

第6チャクラでいう“閃き”を意味する直感とは違って第3チャクラのエネルギーで受けとる直感は危機察知などの“本能的な勘”を意味します。この直感の声は単に身体を守るだけではなく、精神を守るためにも働き、私たちが自分を大切にする上でとても重要なガイドとなってくれます。

また第6チャクラで受け取ったインスピレーションを物質社会に存在する自分の中で受け入れ、判断し、腹で受け取った直感を行動に移していく力も第3チャクラの意志のエネルギーです。

その直感は時に、常識と違っていたり合理的でなかったりする為、無視されることがありますが、頭で理性的に考えて過去の経験や常識から判断し、ベストだと思われる方法をとるよりも、腹で感じた直感に任せて行動すると上手くいくことの方が案外多くあるものです。それは直感を受け取るにあたって人は、小さな顕在意識の範囲内で物事を判断するのではなく、もっと大きな計り知れない情報がある潜在意識を活用しているからなのです。

 

自尊の念が確立していない場合は直観に従って行動するのが難しくなります。失敗を恐れる気持ちや、過去のトラウマ、執着が直感を受け取る上でブロックになっている場合もあります。直感も瞑想などの修練と同様に、そこから得られる感覚に従ってとことん行動していく勇気と内面の力をもってはじめて、大きな効果をもたらします。

 

他者と時間を共にする時だけでなく、一人の時にも自分の意志を尊重できているかどうかにも意識を向けて見て下さい。自由な時間ができた時、あなたは自分の為に時間を使えてますか?それとも人の都合に合わせる為、要望に応える為に自分の時間を使っていませんか?自分のことが一番よくわからない。と思う人が多いかもしれません。自己についての理解と自分を尊重する感覚を学ぶのは決して単純な作業ではありません。なぜ自分は強がったり弱く見せたりするのか、なぜ褒めたり褒められたりするのが苦手なのか、なぜ間違いを認められないのか、自分の我慢の限界とは何か、自分を曲げて妥協していることがどれだけあるか、境界線はどこかなどということを知ることが自己探求の旅路であって、自分のアイデンティティを創りだすということです。それぞれの性格、信念、それに自分を大切にしているかどうかが試されるような課題に直面した時に客観的に自分の感情や行動を見つめること、自分の為に時間を割き、時には立ち向かう勇気が自分への責任感を与えてくれます。そしてこの責任感が私たちを「被害者」状態から抜け出させ、自己信頼へと導いてくれるのです。