第4チャクラは人のエネルギー系の中心にあり、感情面での成長を促します。一般的に、感情よりも、知性や理性的なエネルギーの方が勝ると考えられがちですが、人の身体と魂を動かしているのは、実は感情のエネルギーです。感情のエネルギーがどれほど強いかは、“何かに突き動かされた”という感覚を覚えた方はわかると思います。また胃痛で会社や学校を早退したものの、家に着いた途端に安らぎの感情が生まれたことで調子が良くなった経験のある方もいるかもしれません。
“感じる力”ということにおいて共通しますが、第3チャクラでは物質世界との関係の中での自分がどう感じるかというのに対し、第4チャクラではもっと深く私たちの精神世界に向けて焦点があてられます。自分の思考、アイデア、閃きに対する気持ち、あるいは、自分の感情にどれほど注意を払い、今の自分がどんな風に物事を捉えているかを感じることを教えてくれます。
人は幼少期において様々な感情をあるがまま体感し、ありのままに表現することを恐れません。成長するに従って他者との関係性から自分の感情をコントロールすることやその場に適した表現方法を学びますが、同時に過去の経験から感情を感じることへの恐れも生まれます。ある出来事に対して私たちが持つ感情は、個人が今までに経験し、得た価値観によって当然異なりますので感情に良し悪しはありません。ですので生まれた感情を抑制したり否定するのではなく、ただただ感じること、そして自分の中の感情を素直に認め、経験することで魂は成長します。
成長した魂は、他者への思いやりや理解する力を育て、共感力が生まれます。この他者と自分との間で生まれる共感力によって、一つの存在として冷静に相手のことを考えられるので、相手の意見に賛同できなくても、理解することができます。そして相手を理解すること、また自分を理解することが感情的な痛みを手放すのを助けてくれ、癒しをもたらします。
第4チャクラのテーマとして愛があげられますが、愛のエネルギーは、純粋で強い力を持ち、肉体と精神の両方を動かす燃料となります。私たちは、愛に惹かれると同時に、委縮してしまったり、つき動かされ、操られ、ひらめきを受け、癒され、そして時に自分を見失ってしまったりもします。利己的な愛や所有欲、条件付きの愛は循環する愛のエネルギーを滞らせ、反感や嫉妬、許しの欠如として表れます。このような影として現れる感情を放っておくことは、自分自身を愛し、敬う力をも阻みます。人生で出会う困難にはそれぞれ課題があり、困難にどう臨んだかは、私たちの細胞組織に記憶されます。人生の選択の結果が身体に現れるということです。
まず最初は、第1チャクラ。家族や集団の一人一人から様々な形で表現された愛のエネルギーを吸収します。母親の愛のように無条件なこともありますが、その無条件の愛のエネルギーに至るまでに私達は各チャクラの構成に沿ったいくつかのステップを経て徐々に、許し、慈しみ、寛容さ、親切、自分や人を大切にする気持ちなどといった様々な愛の形に向き合い、そのエネルギーの力を学んでいきます。
ここには常に家族の一員であることや、家族の期待を裏切らないことなどといった条件を含む場合もあります。このような環境ではまず、愛は自分と同類の人たちと分かち合う形で存在するエネルギーになります。
第2チャクラで他者と関わることによって成長した魂は、家族以外の友達などの存在へ範囲を広げ、分け与えたり、大切にすることを通して、愛のエネルギーが育まれます。
次に第3チャクラでは、好きなファッションや異性、運動や学問、職業など個人的なものごと、身体的なものへの愛を知ります。
これら3つのチャクラは、すべて外面の世界での愛に関わっています。
「自分を愛せなければ、誰も愛することはできない」という言葉をよく耳にしますが、自分を愛することがどういうことかは、多くの人にとって曖昧で、ショッピングや旅行、贅沢な休日を過ごしたりというかたちでご褒美を与えることだと思っている方が多いかもしれません。単に物質的なものを与えるのは、第3チャクラの愛であり、自分への感謝を表すのに物質的な快楽を使います。このようなご褒美は、確かに一時的には楽しいですが、私たちの健康に影響するような、人間関係、仕事など、何か問題を抱えた状況を見直す必要がある時に感じる深い心の揺らぎのサインを物質的快楽で麻痺させてしまう場合もあります。
第4チャクラでの愛や癒しという課題は、自身の心から響いてくる感情のメッセージと、魂からのサインに耳を傾ける意志を持つということです。
長い人生で幾度となく、誰もが「心を痛める」ような体験をしますがここでいう「痛める」とは、「大きく開かれる」という意味でもあります。どんなかたちで心を痛めることになっても、「痛みをどうするのか?」という選択がいつも残されます。それに対する答えがあなた自身の解放となるまで、幾度となく繰り返されていくのです。
最も癒しが求められる対象として内なる「傷ついた子ども」(インナーチャイルド)があげられます。小さい頃に持った傷つけられた感情や、苦痛に満ちた記憶、相手の否定的な態度、それに自分で作り上げてしまった否定的な自画像などがあり大人になっても知らず知らずのうちにこのようなパターンにはまって生きていることがあります。
一旦、“傷つけられた自分”という被害者の意識の渦に入ると”私は被害者だから“という看板をかざして他人を責め続けたり、特別扱いを求めて当然だという思いを抱き、そこが心地よく思えたり、癒されるまでには長い時間が必要だと信じ込んだりしますが、傷は癒さない限り、自分と共にあり続け、自分を傷つけ続けます。人との付き合いの中で、互いの傷を打ち明け合った瞬間から、ある種の絆が生まれ、心を開ける間柄になることがよくあります。
ただ、これが一種の判断基準となり、打ち解ける為には“傷”が必要だと感じ“傷”を利用することで“絆”をつくり、人や状況をコントロールするようにさえなっていることがあります。
このようなパターンから抜け出すには、過去に生きる「傷ついた自画像」を心の操縦席から降ろして”今“に生きれるよう、まずは記憶に残る傷を認識し、向き合う必要があります。
癒しは、許す、認めるといった行為を通じて可能になりますが、ここで注意が必要なのは”許す“ということに集中しすぎて自分の本当の感情、心の声をおざなりにしてしまわないことです。自分の気持ち、心の声に耳を澄ませ、確認すること、感じることが自分を愛し大切にすることであり、過去の傷をもたらした人々(自身を含め)への許しや感謝は自己愛の結果として初めて生まれるものなのです。
第4チャクラのエネルギーは、自分を発見し、自分を愛するように私達を導いてくれます。この内なる愛こそが、「幸福」を見出すために欠かせない鍵なのです。と同時に、自己を知る、自分の心に正直になることは変化を生み、人間関係や環境においても終わるもの、始まるものがでてきます。一時的に孤独になってしまうこともあり、当然恐れも生まれます。ですが、自分にとって何が大切かを一歩一歩確認しながら、心に従って決断できた時、本当の意味で他者との真の信頼関係が築けます。