第5チャクラはハートのチャンネルとして作用し、世の中に私たちの心から湧き上がる情熱や真実、本当の感情を伝えるという役割を持ち、表現することが鍵となって開かれる世界への入口であると考えられます。
そこで、あなたの言葉は、自分の魂から湧き上がる思いや、真実を表現する上で一つの大事なツールとなります。自分がどんな人間で、何を大切に思っているのか、人生においてどんな選択をして、何をするつもりなのかを自分の外側の世界に伝える「ことだまー言霊」として働くのです。そして言霊には自分自身も周りも感動させ、動かす力があります。
毎日の生活の中でノーと言いたいのに周りに合わせてイエスと言ったり、相手が期待する答えを用意することが誰しもあるかと思います。普段、面倒を避ける為に何気なくしているこの行為も、第5チャクラの視点で見ると自分の本当の感情を抑えて自分に嘘をついているということになります。かといって一辺倒に自分の意見を通そうとするのは、エゴが働きバランスが過剰になっている証拠です。バランスのとれた第5チャクラのエネルギーは、自分の魂と調和の取れた正直なコミュニケーションを可能にします。周りとの繋がり方も変わってきます。
世の中と繋がることは、自分の世界観とは異なる、様々な見方に目を開かせ、経験や知識を他人と分かち合うことで私達の魂の成長を助ける機会を与えてくれますが、同時に自分が世の中に発するあらゆる表現には、周りにある程度の影響力があるということをよく理解した上で最善な方法を選ぶことが大切です。
人や自分をジャッジすることは、自分も含め、真実に生きようとする魂の成長を邪魔します。また誤ったジャッジに対して、素直に認めずに自己弁護して言い逃れようとする行為も、第五チャクラの課題「正直であること」に反して自分がつくり出した嘘を守ることが必要になる為、エネルギーが滞ってしまいます。このようなネガティブな行為は、結果的に慢性の疲労やうつ状態、それに自己愛の欠如などをまねきます。否定的な見方や価値判断により発生してしまうエネルギーを修復するには、それを正直に認めて撤回するしかありません。自分の過った思いや発言を認めて正すことは、初めのうち屈辱的に感じられるかもしれませんが、やがて肩の荷を降ろすような解放感をもたらしてくれ、癒しのために欠かせない作業となります。素直になることが難しい時は、信頼できる相手といる時間を持つのもよいでしょう。アウトプットすることで自分の頭と心が整理されたり、本心に辿りつけることがあります。
第5チャクラでは自分の真実を話すことができるようになるだけでなく、個人としての真実を生きることが課題としてあげられます。 そこで直感という自分の中に存在する魂の声に耳を傾け、その声に“意志”という行動の動機を与えることが不可欠になってきます。
理性と感情、頭と心の中間に立ち、両者が強く求めるものに対し、バランスのとれた選択をする働きをするのが“意志“です。
頭は外部の世界を、心のエネルギーは個人を動かします。思考が勝ってしまうと、感情を無視したり抑制したりする為、心が苦しい思いをしますし、逆に感情が勝ってしまうと、その場の感情に流されて浅はかな行動を取ってしまう場合もある。結局、理性でも感情でもどちらか一方が強くなると、偏った動機が意志を動かす原動力となってしまうのです。この頭と心のアンバランスは瞑想などといった自己修練の場でも理性と感情の間に意図的に壁をつくってしまいます。それは「導きをください、でも悪いことは聞きたくありません」ということで、自分で求めた導きを、自分に都合の良いように方向づけることさえあります。すると、理性レベルでは変化を求めながらも感情的に恐れるというサイクルを繰り返しながら生きることになります。これからどうしたらいいのかわからないと言って自分を保留状態に置くことは簡単ですが、その主張が事実であることはまれで、実は次に何をすべきかはわかっているのに行動を起こすことを恐れていることがほとんどかもしれません。
変化を恐れ、行動するよりも先に安心感や保証が得られるまで頭で分析しようとすると頭と心の葛藤はいつまでも続きます。
時に人は、「もう我慢できない、こんな扱いを受けるのはもういやだ」、あるいは「もうこんなところには1日たりともいられない、今すぐここを出なければ」といった極限状態まで追い込まれた時に、理性と心を分けていた壁が壊され、一つになった“意志”を発揮して決断を下すことがあります。そしてこの決断の内側にある強烈な力によって人生は直ちに変わり始めます。人生で繰り返される頭と心の葛藤のサイクルを打ち破るには思い切って変化の渦へと飛び込み、その反対側に抜けて初めて安心感はもたらされ、再び生きる喜びを強く感じることができるのです。ただ、この決断はあくまでもあなたの心と頭が納得した状態で生まれるものであって、歩みの過程とペースは人それぞれです。今どうしたいか、現状で自分に何ができるかということに焦点をおいて小さなことからでも一歩踏み出すことが自分の真実を生きることに繋がります。